区別をのりこえて新しい出会いを、地域共生を学ぶオンライン施設見学研修(2023年3月3日)

2023年3月3日に地域包括ケア推進部主催「地域共生を学ぶオンライン施設見学研修」がオンラインにて行われました。

全国でも貴重な「共生型施設」である「共生・多機能型デイサービス ダイアリー」の社長でもある、株式会社ハート&アート 代表取締役 埼玉県作業療法士会副会長 茂木有希子先生よりご講義いただきました。

共生型サービスに関する制度のお話から、施設を設立するまでに至った経緯のお話まで盛りだくさんな内容でした。その中でも一番印象深かったのは、茂木先生の「共生」に対する考え方と熱い理念のお話です。

なぜ共生型施設を設立したのかという理由として「職員も利用者自身も『障害者』と『健常者』という区別をしていた。そして、既存の施設自体そのものが区別を作ってしまっていると感じた」と先生はおっしゃっていました。そこで、いろいろな「出会い」が作れる場を作りたいと強く思ったとのことです。
「脳卒中などで後天的な障害を持った人は、できていた頃の自分と比較して悲観的に感じることが多い。例えば、車いすが無いと移動できないのは情けない、など。しかし、先天的な障害を持った方々にとっては車いすで移動をすることは日常的でごく普通なこと。先天的な障害を持った人はできない事が多いけれど、できなかったことができるようになる喜びを感じながら生きていくというのは、後天的な障害を持った人も同じであること。」という内容はまさにその通りだなと思いました。

様々な個性を持った方々が通うダイアリーの様子をプライバシーが守られた中で、動画編集もして紹介してくださり、難しいテーマながらも楽しく学ぶことができました。

不便さを抱えながらも新しい生活スタイルや新しい生きがいをもって対象者さんやご家族が生きられる社会を実現するためには、社会の理解が必要です。そして、その方々の声を直接聞いている私たちが社会との橋渡しになる必要性を強く感じました。

質疑応答でも積極的に質問してくださる方が多く、皆さんの心に響くものがたくさんあったのだと感じました。

茂木先生、ご講義ありがとうございました。