皆さんは「災害リハビリテーション」のことを知っていますでしょうか?あまり馴染みのない言葉だと思います。言葉からイメージがつく人もいるかもしれませんが、実際に何をするのかわからない人も多いのではないでしょうか?もしかしたら自分には関係ないと思う方もいるかもしれません。しかし、大規模災害はいつどこで起きるかわかりません。地震、噴火、豪雨、洪水…いつ起きるかわからないからこそ平時の準備が必要となります。 そんな平時からの取り組みとして、理学療法士会、作業療法士会、言語聴覚士会の三団体主催で災害時に関わる人材育成のファーストステップとして災害リハビリテーション研修会(Basicコース)を企画しています。今回は7月29日(土)に埼玉建産連研修センターで行われました「埼玉県リハビリテーション三団体主催 第2回 災害リハビリテーション研修会(Basicコース)」について簡単にお伝えしたいと思います。
研修会は、災害リハビリテーションの理解を深めていただくために、「災害医療概論」から始まります。災害の定義や種類、日本の災害医療体制等災害医療の基礎を学ぶことができます。その後、「オリエンテーション」という名のグループディスカッションを行いました。内容は、1)避難生活を送る上でどのような問題が起こると予測されるか?2)それに対してリハ職ボランティアとして何が出来るか?を話し合ってもらいました。受講者の皆さんは経験、未経験関係なく日々の経験から様々な意見が出ていました。午後からは実際に熊本地震の支援に入った方からの講義でした。支援というと現地に行って対象者に支援することをイメージする方が多いのではないでしょうか?実際に今回研修を受講した方もそのような方が多かったです。しかし、支援はそれだけでなく、全国から支援に入る人たちの受付やスケジューリング等を実施する東京本部や現地での支援者をサポートする活動本部といった後方支援もあります。そんな、後方支援や直接的な支援についての講義を実施し、災害リハビリテーションを学んでいただきました。
来る有事のために自分ができることの準備として「災害リハビリテーション」を学んでみてはいかがでしょうか?次回は10月21日(土)第3回 災害リハビリテーション研修会(Basicコース)を開催予定です。是非、ご参加ください。
受講者の声の一部です。
・災害リハビリテーションでは被災地での避難所での活動を意識していました。実際は活動を支援する本部の役割があり、本部の必要性や支援について学ぶ事ができました。日本は自然災害が多く、災害が起こりやすい環境なので災害リハビリテーションの理解を深めていきたいと思います
・グループワークにおいても思考が身体面ばかりに向いてしまうのを実感しました。災害は近年、至る所で発生しているので、いつ自分に何かあった時にどうすればいいかを改めて考えるいい機会になりました。
研修内容
① 「災害医療概論」
② 「オリエンテーション」
③ 「災害リハビリテーションの組織と心構え」
④ 「災害リハビリテーションの実際~本部活動~」
⑤ 「災害リハビリテーションの実際~避難所活動~」
災害対策部長 阪井 之哉