2018年12月2日(日)に目白大学にて、第2回学術部研修会が開催されました。
今回の研修では、山梨リハビリテーション病院の山本伸一先生をお招きし、『中枢神経疾患の作業療法~活動へつなげるための身体機能の診かたと具体的アプローチ~』というテーマでご講義頂きました。
研修会の申し込みは、異例の2週間で定員に達する大盛況ぶりで、当日は100名近くの方々に受講して頂きました。
午前中は、脳卒中片麻痺対象者の障害像の理解についての講義が行われました。脳卒中片麻痺対象者における「陥りやすい上肢・手など」の障害像について、わかりやすくご講義頂きました。臨床上でよく見られる、翼状肩甲や肩甲上腕リズムの崩れ、肩の痛みの原因についての説明では、具体的な介入方法についても教えて頂きました。山本先生の臨床経験を踏まえた説明も多く、今後の臨床ですぐに活かせる内容ばかりでした。また手の機能の説明では、笑いを交えながらのデモンストレーションで、とても楽しく学ぶことができました。
午後は、実技練習を中心に行いました。徒手誘導のポイントを一つ一つ丁寧に教えて頂きました。肩甲帯や手指機能への介入では、対象者の治療肢位から治療者の立ち位置まで、細かくご指導頂きました。また、治療結果について明確な目標を提示して頂いたことで、より一層理解が深まっただけでなく、復習もしやすくなったと思います。作業活動では、新聞紙、お手玉、クレヨン等を使用しました。明日にでもすぐ実践できるような実技内容ばかりで、大変充実した時間となりました。
時間はあっという間に過ぎ、教室の時計が止まるトラブルに誰も気が付かない程、参加者やスタッフは講義に集中しておりました。最後には、患者様の脳卒中体験談のビデオが流れ、上肢機能の治療の大切さを改めて感じる機会となりました。
作業療法では、ADLについて評価・介入することも多いかと思います。適切な評価や治療のためには、身体機能面の医学的背景の理解や分析が大切だというお話もありました。講義の中では解剖運動学の内容も多く、医学的知識の必要性を強く感じる研修会となりました。