平成31年1月19日に、埼玉県リハビリテーション三団体主催 第3回災害リハビリテーション研修会(アドバンスコース)が開催されました。アドバンスコースは今回が3回目ということで、プログラムについても全体的にブラッシュアップされ、大変充実した研修会となりました。研修会内容や当日の様子など、いくつかご紹介させて頂きます。
午前のプログラムでは「災害リハビリテーション概論」や「避難所における活動」などの講義があり、災害時における基本的な考え方や心構え、また組織における自分たちの立ち位置や役割などを再確認出来る内容となっていました。また、実際に支援に行く場合、職場の理解を得ることや保険への加入はどうするのかなど、具体的な説明も盛り込まれていました。
午後の「クロノロジー説明」の講義では災害時の情報整理や共有について説明があり、後半ではデモンストレーションを取り入れた形式で、実際の場面をよりイメージしやすくなるよう工夫されていました。「被災地支援のシミュレーション」では実際の災害想定を踏まえ、避難所支援と本部活動の二部構成でグループワークが行われました。特に本部活動のシミュレーションは今回が初めてとなりましたが、受講生が各々の役割を理解した上で、積極的に取り組まれている様子が印象的でした。終了後、受講生からは、情報整理・伝達の難しさや役割の理解(自分たちがどこまで関わるか、どこに繋げるか)の必要性などが感想として挙げられていました。
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今回の研修会では、初の試みとして、講義の合間に「ダンボールベッド作成・寝心地体験、非常用簡易トイレの作成、非常食の試食体験」を行いました。ダンボールベッドの体験では、受講生から、「組み立てが容易」、「実際に寝てみると暖かい」、「思った以上に強度がある」というような感想が上がっていました。また非常食の試食体験では、実際に作ってもらうところから行ってもらいました。災害時には「皆でシェアする」といった状況が多くなりますが、受講生に実際に行ってもらうことで災害時の食事や避難生活などを身近に感じて頂くきっかけになったのではないかと思います。災害時には被災者の状況を理解した上で支援を行うことが求められることを踏まえ、こうした小さな体験もその一助になるのではないかと思います。
今後も、「災害リハビリテーション」について学ぶ機会として、より多くの方に研修会に参加して頂くことを期待しております。