今、緩和ケアを考える『緩和ケアの本質とは?』地域包括ケアシステム研修会ナイトセミナー

 2021年1月15日に開催された、地域包括ケアシステム研修会ナイトセミナー「緩和ケアの本質とは?~スピリチュアルケア、ケアする人自身のケア、死から生といのちを考える」についてご報告いたします。ナイトセミナーでは初のWEB開催となり、参加者56名と事務局13名が聴講しました。OT以外の医療従事者にもご参加頂き、経験年数は1年目から30年以上と幅広い受講者でした。

 講師の高宮有介先生は、もともと外科医でしたが、末期のがん患者との関わりをきっかけに緩和ケア医を目指します。当時は緩和ケア病棟も日本には少なく、海外での研修などで研鑽を重ね、現在は昭和大学医学部教授として学生教育に携わっています。

 講義では、先生の優しさの中にも力強さが随所に垣間見れ、WEB開催とは思えないほど臨場感に溢れたものでした。内容は、末期がん患者への理解、治療者側のマインドなどでしたが、医療従事者の基本的な心構えを見直せるような具体的なものでした。患者との実際のやりとりを再現する中で、先生がどのように患者の苦痛と苦悩を和らげているかが想像できました。また、自分の呼吸に向き合うマインドフルネスをWEB上で実際に体験させて頂き、治療者側の自己管理の必要性を実感することができました。

 今回のテーマは「死から生を考える」でした。作業療法士の職域は拡大しており、対象者の死に関わる場面が増えていると思います。また、生活を支援する専門職であり、死を考えることが対象者の生活改善につながることを考えると、今回の講義は大変有意義なものでした。

 高宮先生、お忙しい中ありがとうございました。また、ご参加頂いた方々もお疲れ様でした。来年度以降も、ナイトセミナーを企画・運営してまいりますのでぜひご参加下さい。

地域包括ケア推進部